【イベントレポート】TOKYO ISLANDS MEETING Vol.6 世界遺産・小笠原の自然を守り、いまを伝える人々〜父島独自の豊かな自然に触れよう〜

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「TOKYO ISLANDS MEETING」も第6回目、後半に入ってきました。今回は初の小笠原諸島・父島がテーマです。都心から1000キロ、おがさわら丸で24時間かけて着いた先には、世界自然遺産にもなった美しい自然をもつ島があります。今回はそんな父島の素晴らしい自然や、歴史・文化についてゲストの皆さんに教えていただきました。

まずは冨田マスオさんから小笠原の歴史について語っていただきました。小笠原は長らく無人島で、江戸時代に日本人が調査に行った資料は残されているものの、人は誰も住んでいませんでした。最初に移住してきたのは1830年、ナサニエル・セーボレーら5名の欧米人とハワイの人々です。その後、日本人が最初に探検調査を行ったので日本の土地となり、日本からも移住者も増えていきました。(第2次世界対戦後のアメリカ統治時代はありましたが)小笠原は欧米系のルーツを持つ人も多いのですが、今はほとんどが戦後移住してきた新島民となっているそうです。

深澤Bovie丞さんからは海の魅力について語っていただきました。ボビーさんはシーカヤックのガイドをやっていらっしゃいますが、父島にはシーカヤックでしか行けない美しいビーチもあり、ゆったりペースで自然の音や風、海のバイブを全感覚を使って楽しめるシーカヤックにドルフィンスイムなども、島独自の自主ルールを定め持続可能なエコツアーを実施しています。イルカやクジラがいつまでも安心して過ごせる環境に配慮しています。

父島の陸の魅力について語ってくださったのは瀬堀翔さんです。父島は火山活動によってできた島ですが、現在では火山は活動していません。そして過去に一度も陸続きになったことがない、という特徴から、「東洋のガラパゴス」とも呼ばれる独特な生態系を持っています。クマやヘビなど危険な生物がいないのですが、人間が持ち込んだ外来種が生態系に影響を及ぼしてしまうことがあります。守りすぎてもまた良いわけではなく、バランスのとり方が大事というお話は興味深いものでした。

参加者の皆さんの中には父島が好きで訪れたことがある方、今後長期滞在を考えている方などもおり、質問も多く飛び交いました。家がなかなか見つからないといった大変さもありながらも、誰でもウェルカムしてくれるやさしい雰囲気を持っている島。おがさわら丸で島に着くと「おかえりなさい」、島を出る時は「行ってらっしゃい」と言われるのだそうです。一度父島の優しさに直接触れてみたいと感じられるイベントとなりました。

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