【イベントレポート】“暮らしを育てる『島根の日常』 〜スパイスが生み出す、暮らしの豊かさと面白さ〜”を開催!

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9月10日(木)、オンライン配信にて“暮らしを育てる『島根の日常』 〜スパイスが生み出す、暮らしの豊かさと面白さ〜”を開催しました。

◎暮らしを育てる『島根の日常』を届けたい

今年春の外出自粛期間を経て、自分の暮らしや家族との暮らし、住んでいる地域など、「本当に必要なものは何か」を考えさせられたり、見つめ直したという人は多かったのではないでしょうか?

そんな方へ向けて、島根在住のゲストを招き、島根での日常をお伝えすることで暮らしを育てるヒントをお届けできたらとシリーズが始まり、2回目をむかえました。

前回は島根県松江市に在住の森脇香奈江さんをお招きし、お話を聞きながら梅シロップを仕込む梅仕事をワークショップで島根とオンラインを繋いで教えてもらいました。

▼イベントページ詳細
https://shimane-umeshigoto-hajimari.peatix.com/

今回の参加は関東圏からが8割、島根に行ったことがある方は7割、その中に移住を考えている方もいらしてました。

参加理由は、スパイス・クラフトコーラに興味があった方が多く6割、他に多かったのは島根関連のイベントだったから、地方・地域とのつながりに興味があったからというものでした。

ふるさと島根定住財団原早紀子さんが紹介する、地元島根のこと

シリーズではかかせない島根のゲストと参加者を繋ぐ仕掛け人、ふるさと島根定住財団の原早紀子さん。彼女自身、地元島根から離れたからこそ、改めて気付いたその土地に対する色んな『好き』があります。その真っ直ぐな『好き』の気持ちが、紹介するものの1つ1つに現れており、写真と共に情景まで丁寧に伝わってきました。

お話の中では、あえて丁寧に時間をかけて何かを作ることで感じる「豊かさ」についても触れ、その時間のかけ方が、この島根の暮らしでの豊かさの1つではないかともお話してくれました。

◎山田健太郎さんが島根県雲南市に移住したキッカケ

山田さんが島根へ訪れたのは、宮内舎(https://miyauchiya.com/)の代表でもある⼩倉健太郎さんとお仕事を一緒にし始めたのがキッカケでした。行く度に色んな人を紹介してもらうことで繋がりが広がり、皆さんあたたかくむかえてくれたこともあり、どんどん雲南を好きになっていったそうです。

東京から島根へ月に1度通う生活を2年経て、移住。

現在は出雲SPICE LAB.(https://spicelab.thebase.in/)の代表として耕作放棄地を再活用したスパイスの栽培と、スパイスを使った商品開発、販売を行っています。

◎移住するということは、共に暮らすということ

山田さんがすぐ移住しなかったのには理由がありました。

それは月1で雲南滞在をし始めてすぐ、地元の方が誘ってくれたBBQで起こった出来事が大きいと言います。

お話をしながら、お酒も飲むことで本音が少しずつ出てきた頃それは起こりました。

地元の人と、まちづくりに携わっている外から来た人との対話の中で、共に暮らしている地域について、熱い思いのぶつかり合いを目の当たりにしたそうです。

このやりとりで山田さんは、地元の人とのコミュニケーションの大切さを感じ、本気で地域に入り込まないと住むまではしてはいけないなという気持ちにさせてもらったと言います。

そして時間をかけ、コミュニケーションを大切にしながら覚悟を決めて移住となったのでした。

◎スパイスに感じる無限の可能性

山田さんがスパイスに出会ったのは、世界中を旅行していた大学時代。

旅をしながら日本で言う醤油や味噌のように、世界でも人や土地によって変わる味わいを感じることのできるスパイスに驚き、魅了されていきます。

自分でもコーラを作ろうと思ってスパイスを買ったら、カレーと同じ組み合わせでできることを知った時はとても感動したと言います。

同じ材料で、全く違うものを生み出せるスパイスへ感じた無限の可能性。

キラキラした目で話す山田さんから、スパイスに対する『好き』が皆さんにとても伝わった時間でした。

初めてスパイスを使った飲み物を販売したときのお話では、全然売れなかったエピソードを教えてくれました。

”手作りスパイスドリンク”という名前で販売していたそうで、聞かれてもどんな味か表現するのが難しく、自分でも説明できなかったことを反省。

その後、味の想像がしやすくて興味関心がありそうな飲み物ということで、”手作りコーラ”として作リ直し販売してみることに…。

結果、これがとても売れて今に繋がっているのだそうです。

最初は売れなかった”手作りスパイスドリンク”も、今後販売できるようにしていきたいそうなので、こちらも是非お楽しみに。

◎今までの経験がつながった、自分で最初から最後まで作る形

東京で働いている時に、自分で食べるものを育てるという経験をしたく、仲間とシェア農園で野菜を育てたことがある、山田さん。

スパイスも自分で作ったら面白いのではないかと考え、育て始めます。

少し経験もあったことで、農業に対しての抵抗はなかったそうです。

原料の全部は無理でも、できるだけ地元のものを使って自分でも育てたスパイスとブレンド・加工して商品として販売するという流れをつくり、この土地といえばコレというものを作っていきたいと山田さんは言います。

大学時代のスパイスとの出会い、東京でいた頃の作物を育てた経験が、ここで繋がったのです。本人は今までやってきたことがこうして繋がるなんて思っていなかったそうです。

◎乾杯してみえたクラフトコーラのそれぞれの味わい

事前にご予約された方には、山田さんより出雲SPICE LAB.のクラフトコーラが送られました。みんな同じものを手に取り、市販のコーラと飲み比べ。

飲みながら、既に無くなっていくクラフトコーラを惜しむ方も多く、購入できる場所の問い合わせも飲んですぐにありました。

中には今までコーラが苦手だった方も、山田さんのスパイスに対する思いを聞き、飲みたくなり試してみたところ、美味しくて感激されたという嬉しい感想も届きました。

ストーリーや思いが人の心を動かして、行動にまでなる…

山田さんが雲南という場所とそこに住む方とのつながりを作ることができてきたのも、まさに少しずつでも着実に思いが伝わったことで協力者を得ていったのではないかと思います。

◎思いで繋がる地域の暮らし

島根ぐらしの魅力は、手作り・手間をかけることに幸せを感じられることと話す山田さん。そんな山田さんが考える、地域に合う人とは…

”都会ほどの刺激はないけれど、各々の思いで繋がり、ゆるやかな時間で遊べる人”。

移住希望の方へ参考までにお伺いしましたが、この言葉にはたくさんのヒントが詰まってると思います。

今回のイベントでは、島根の出雲という場所のことを知ってもらえ、クラフトコーラを通して参加者と山田さんが出会いました。

参加するまで出雲という土地に無かった色が、この出会いによって人や作物やエピソードで参加者それぞれで塗られていったように思います。

これからも島根の日常に触れることで、それぞれの土地の暮らしを参加者の皆さんと一緒に彩りを添えながら育てていけたらと思います。

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