【レポート】ひたちぐらし体験ツアーまち・しぜん・ひとに出会う、日立の日常をめぐる2日間

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海と山に囲まれた豊かな自然環境、都心へのアクセスの良さ、充実した移住・子育て支援によって、移住先やワーケーション先として人気を博している茨城県日立市。そんな魅力たっぷりな日立市をめぐる「ひたちぐらし体験ツアー」が、2023年10月7日から8日にかけて開催されました。

ツアーのテーマは、「まち・しぜん・ひとに出会う、日立の日常をめぐる2日間」。観光地を訪れるのではなく、”まち(地域)” やそこに住む ”ひと” そして日立の特徴である”しぜん”と出会い、日立の日常を知る。そんな2日間のツアーの様子をお伝えします。

ツアーのはじまりは、美しい駅舎から

水戸黄門こと徳川光圀公が、海から昇る朝日の美しさを「日の立ち昇るところ領内一」と称えたことから地名がついたと言われる日立市。日立市出身の世界的建築家・妹島和世氏がデザイン監修を行ったJR日立駅の駅舎は、太平洋が一望できるガラス張りの造りになっており、世界で最も美しい駅舎の一つと呼ばれています。

今回のツアーは、そんな「世界で最も美しい駅舎の一つ」からスタート。未就学児を連れたご家族、パートナー、お一人でご参加の方など、計7名の方が、午前11時に日立駅に集合しました。

ひたちトライアルステイ「海の見える家」

まず最初は、日立市のお試し移住用住宅・ひたちトライアルステイ「海の見える家」(以下、海の見える家)へ。日立市のお試し移住体験プログラムでは、3泊4日から7泊8日の間、無料で海の見える家に滞在しながら、実際のひたちぐらしを体験することができます。

海の見える家2階

1階はLDKや和室、バスルームなど生活の拠点、2階は太平洋を一望できるワンフロアの空間となっており、海を眺めながらリモートワークをしたり、家族でくつろいだりと、ライフスタイルにあわせた過ごし方ができます。日立移住の先輩である現地コーディネーターのサポートもついており、移住後の生活や日立市に関する様々な相談に乗ってもらえる環境が整っています。

海がみえる日立を移住や二拠点先として検討される方が多く、過去には131組の方が応募し、86名の方が滞在。そのなかから3組が実際に移住、2組が二拠点生活を始めたそうです。

海の見える家では、全体のオリエンテーションと参加者の自己紹介、そして先輩移住者であり海の見える家で現地コーディネーターを務める政田優さんから、ひたちぐらしの魅力をお話していただきました。

政田さん「私は結婚を機に日立市に移住して14年目になりますが、日立に来て、海岸から見える朝日にこの上なく感動したことを覚えています。日立市は自然が身近にあるし、文化的な体験もできる。ほどよく田舎と都会が混ざっていて、子育てをするのに本当に良いまちだと思います。」

地元のお店で昼食を

海の見える家を後にし、街中を散策しながら、日立駅徒歩3分の海華軒へ。参加者の方と日立市役所の方が交流しながら、和食ランチセットを頂きました。

ボリューム満点のランチでお腹を満たした後は、日立駅から茨城交通バスに乗って、「日立市かみね動物園」へ向かいます。公共交通機関を利用し地元の交通事情を体感することも、このツアーの醍醐味です。バスを待つ間は駅に隣接する「日立駅情報交流プラザ ぷらっとひたち」で、海産物や地酒などの名産品をチェック。お買い物をしていた地元の方が、おすすめ商品を教えてくれる一幕もありました。

楽しく入って、学んで出られるかみね動物園

地元のバスに揺られて到着した日立市かみね動物園は、遊園地、レジャーランド、市民プールなどからなるかみね公園の一角にあります。オープンから半世紀以上の歴史があり、年間パスポートはなんと破格の1,250円(大人・子ども一律)。日立で子育てするファミリーには馴染み深いスポットです。

この日は生江信孝園長にお出迎えいただき、かみね動物園の歴史や、楽しく学べるスタンプラリー、「猛獣舎」や「はちゅウるい館」などの見どころを紹介していただきました。

園長のお話の後は1時間弱の自由時間を設け、参加者さんは自由に園内を散策しました。中にはスタンプラリーをすべて回り切った方も!見所たっぷりのかみね動物園に「またゆっくり来たい!」という声も上がっていました。

まちのシンボル「日立シビックセンター」

かみね動物園を楽しんだ後は、再びバスに乗り日立駅前へ。駅前から約3分ほど歩き、球体のプラネタリウムが特徴的な日立シビックセンターを訪れました。1990年の開業以来、日立市の小学生は授業で必ず訪れる、まちのシンボル的施設です。

日立市立記念図書館、音楽ホール、会議室、科学館サクリエ、プラネタリウム「天球劇場」など、市民のための様々な施設が集結しています。建物前の広場も日立シビックセンターが管理しており、地域のお祭りやイベントなどが開催されています。

この日は特別に、職員の方が館内の見所を案内してくださいました。科学館サクリエでは遊んで学べる体験型の展示が多く、子どもだけでなく大人も夢中に!時間が足りなくなる場面もありました。

天候に左右されない駅前の遊び場「ハニレコ!」

Hiタッチらんど・ハレニコ!子育てサポートエリア(イベントや講習、一般社団法人ライフ・ケア・ひたちの会員によるお子さまの一時預かりを実施)

続いて向かったのは、北関東最大級の屋内型遊び場「Hiタッチらんど・ハレニコ!」(以下、ハニレコ)。0歳から12歳までのお子さんとその保護者の方が遊ぶことのできる施設で、日立駅前の商業施設「ヒタチエ」の4階に位置しています。

大小さまざまな遊具がある「まなび・あそびエリア」は、天候に左右されずに遊ぶことができるため、雨の日は特に大人気なんだとか。1クール90分の利用料金は、子どもは100円、 大人は200円。平日に祖父母と入場すると、利用料金が無料になるという嬉しい特典もあるそうです。

ハニレコも職員の方にご案内していただきながら、施設を見学・体験しました。

地元のお店を歩く夜

夜は任意参加で、地元のお店を散策。政田さんが「日立に来て、ママ友以外の人脈はすべてここで作ったと言っても過言ではない」と紹介してくれた「coffeestandgenkan」へ足を運びました。その名の通り、日立のコミュニティの玄関のような場で、政田さんもお店に通い、ここでの繋がりから海の見える家で現地コーディネーターをすることになったのだとか。短い滞在時間でしたが、コーヒーを頂きながら、店主さんや地元の方と交流する楽しい時間を過ごすことができました。

夕食は和洋折衷豊富なメニューを取り揃える「食彩酒家 じゅまる」へ。政田さんも参加してくださり、参加者さん、先輩移住者、日立市役所職員、ツアースタッフが和気あいあいと、食事と会話を楽しみました。

2日目のスタート!日の出鑑賞

2日目の朝は、任意参加の日の出鑑賞からスタート。5時20分にホテルのロビーに集合し、太平洋を一望できるガラス張りの駅舎から、日が昇るにつれて空と海が色づいていく美しい風景を堪能しました。

マイクロクリエイションオフィス「晴耕雨読」

佐々木雅史さん

その後は各自自由に時間を過ごし、10時前に再びロビーに集合。日立駅から電車で移動し、CANVAS合同会社の代表である佐々木雅史さんが手掛ける2つのマイクロクリエイションオフィスを見学しました。佐々木さんは、茨城県内でシェアキッチン、シェアサロン、シェアオフィスなど6施設を運営し、ご自身の経験を活かしながら、起業支援や移住支援も行っています。

まず訪れたのは、日立駅のお隣・常陸多賀駅から徒歩1分のところにあるマイクロクリエイションオフィス「晴耕雨読」です。「学生通り」と呼ばれる学生の行き来が多い通りにあり、コンセプトは「学生や主婦がチャレンジ(小さな起業)でき、地域と掛け算することができる多世代交流シェア施設」。コワーキングスペースやサテライトオフィス、シェアキッチンの機能を備えています。

マイクロクリエイションオフィス「ミカケル」

続いて訪れたのが、常陸多賀駅のお隣・大甕駅から徒歩2分のマイクロクリエイションオフィス「ミカケル」。コワーキングスペース、シェアオフィス、シェアキッチン&カフェ、一箱図書館、サテライトオフィス、子育てサロンなどを有し、さまざまなチャレンジをする方を支援する施設です。子育て中のお母さんの挑戦をサポートできるよう、キッズスペースやおむつ台があるのも特徴です。

佐々木さんに施設を案内していただいた後は、ミカケルの2階にあるキッチン&カフェスペースで、4人の先輩移住者の方々から、ご自身の移住体験談をお話していただきました。

先輩移住者の体験談

政田さん(左上)、菅原さん(右上)、西森さん(左下)、MEIKOさん(右下)

お話してくださったのは、「海の見える家」を案内してくれた政田さん、政田さんと同じく現地コーディネーターを務める、一般社団法人常陸frogs代表理事の菅原広豊さん、出身地である日立市にUターン移住をしたイラストレーターのMEIKOさん、自身が立ち上げたオンライン英会話スクールを運営しながら、日立市で2人のお子さんを育てている西森祐人さんの4名です。

移住前から現在までのキャリア、移住前・移住後の悩み、そして日立市での暮らしについて、インターネット越しでは知ることのできないリアルな体験談を聞くことができたと同時に、今回のツアーのコンセプトでもある日立の「ひと」を知ることができる貴重な時間となりました。

お話の後は、お弁当を食べながらのランチ交流会。移住に関するあれこれや、日立のお話スポットなど、ざっくばらんに会話が盛り上がっていました。

2日間の振り返り

交流会の後は、2日間の振り返りを実施。参加者の皆さんは、ツアー参加前後で日立に対する印象がどのように変化したのかをシートに記入し、全員にシェアしました。日立への印象の変化と、ツアーの感想の一部をご紹介します。

「日立に来たことがなかったので、ツアー参加前はこれといった印象がありませんでしたが、優しくてお話が好きな方が多いという印象を受けたので、移住者もコミュニティになじみやすい地域なんだろうなと感じました。」

「webサイトで『子育てしやすいまちナンバーワン』という謳い文句を見ていましたが、実際にさまざまな施設を訪れ、ここまで子育てや教育の環境が充実している地域はなかなかないなと実感しました。海があり山があり充実した施設があり、まち全体で子育てできるのが素敵だなと思いました。」

「朝日は全国どこからでも見れるものですが、日立駅のあのロケーションがあるからこそ、朝が苦手な自分でも頑張って早起きしようと思えました。そういう意味で、日立からしか見れない朝日があるんだなと感じました。」

「子どもの頃、両親の実家がある田舎によく遊びに行っていた原体験があるので、子どもにもそういった故郷のような場所をつくりたいと思い、日立への移住を検討しています。子育ての環境を確認したく今回のツアーに参加しましたが、先輩移住者の方から日立での暮らしや子育てについて聞けたのがとても参考になりました。いろいろな施設を見学したり、日立の自然を改めて体験することができて、移住に向けて背中を押していただいたようなツアーでした。」

観光地をめぐるだけでは知ることのできない、日立のまち・しぜん・ひとに出会い続けた2日間。このツアーが、豊かな暮らしに向けた一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。

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