【レポート】リノベーションによって生まれた、新たなまちのにぎわい(山梨県韮崎市)

  • -
    コピー

◎山梨県韮崎市、アメリカヤを訪問

今回ははじまり商店街:島田(写真左)の地元・新潟県の友人、武藤 要(ぶとう かなめ)さん(写真右、本レポートを執筆してくれました。有難うございます!)と一緒に、
先進的な取り組みを学びに行かせていただきました。

こんにちは。はじまり商店街の島田源也です。2023年2月10日(金)、山梨県韮崎市にあるアメリカヤさんへ伺いました!当日はまさかの大雪。アメリカヤの屋上にも雪が積もりました。

「リノベーションによって生まれた、新たなまちのにぎわい」をテーマに、お話を聞いたのは、以前オンラインイベントにご登壇いただいた、IROHA CRAFTの千葉 健司(ちば けんじ)さん。千葉さんは、韮崎にある廃ビルのアメリカヤをリノベーションし、韮崎に新たなにぎわいをもたらしています。

今回、お話を聞いた方

千葉健司さん
IROHA CRAFT
株式会社アトリエいろは一級建築士事務所 代表取締役

https://www.atelier-iroha.com/

<プロフィール>
IROHA CRAFT代表。26歳で一級建築士取得。スクラップ&ビルドの建築に違和感を覚え、29歳で建築事務所を開設。空き家、空きビルのリノベーションに尽力。2018年、廃墟と化していた街のシンボル「アメリカヤ」を複合施設として再生。山梨県建築文化奨励賞、リノベーションオブザイヤー2018特別賞受賞。2019年、居酒屋を5店舗誘致し、アメリカヤ横丁をオープン。リノベーションオブザイヤー2年連続受賞。空き家、空きビル、リノベーションの魅力と可能性を発信し続けている。

リノベーションによって生まれた、新たなまちのにぎわい

– 本日はよろしくお願いします!始めに、千葉さんと韮崎の関係性について伺いたいです。

私は隣町出身ですが、高校時代は韮崎に通っていました。なので韮崎は半分地元みたいな感覚ですね。当時からの繋がりで今も韮崎でお仕事をさせてもらっています。

– そうなんですね。アメリカヤに入っている事業者さんは、韮崎出身の人が多いのでしょうか?

韮崎市ではなく、県内の周辺地域からアメリカヤにお店を開かれるケースが多いですね。リノベーションを進めながら、お店を開きたい知り合いの方にお声がけしていきました。元々は別エリアで開業を考えていた人もいたのですが、「アメリカヤでオープンしてみよう」と決めてくださる方もいました。オープンしてから事業者さんの入れ替えはありましたが、空きテナントが発生することはない状況です。

街のシンボルをリノベーションすること

– 県内外からアメリカヤへ訪れる人の動きが出ていますが、どのように認知が広まっていったのでしょうか?

アメリカヤに関わる事業者さんがそれぞれ発信してくださったのは大きいですね。運営している自分たちが主体となって楽しむことで、その熱が伝わっていくんだと思います。あとはリノベーションに関するコンテストへ応募したり、山梨県の建築文化賞へエントリーしたりしましたね。このような場面で受賞することで、様々な文脈で認知していただいたのではないかと思います。

– ありがとうございます。韮崎市民にはどのように受け入れられているのでしょうか?

お店のお客さんとしてはもちろん、5階のコミュニティスペースを開放しているのでいろいろな方に使っていただいています。学生さんが帰り道に集まっていることも多いですね。あとアメリカヤは歴史があるので、親世代やそのまた上の世代にとっても馴染みのある建物なんです。世代を跨いで、それぞれの思い出が詰まっている場所になっています。

– 目的は世代によって違うけれど、同じ場所を共有しているんですね。

そうなんです。アメリカヤを通して、リノベーションによる街づくりの意義を感じています。これから街づくりするために、その街のみんなが思い出のあるシンボルのような場所をきっかけにするのは起爆剤になると思います。

アメリカヤビル5F「Scape」。誰でも自由にご利用できるコミュニティスペース。イベントや会議などの貸切利用も可能(要予約)。

千葉さんが考える韮崎・アメリカヤの未来

– 素敵なお話ありがとうございます。最後にアメリカヤを含め、千葉さんの今後の展望について教えてください。

時間はかかると思いますけど、アメリカヤ周辺の空き家をリノベーションして「移住者のための”アメリカヤ村”」みたいなものをつくれると面白いかなと思っています。「韮崎が全国から注目されるリノベーションの街」になることが1番の思いです。日本だけでなく、海外の方にも訪れてもらえるようにしていきたいですね。

– 韮崎の今後がワクワクします!この度はありがとうございました!

執筆:武藤 要

この記事を書いた人